水処理薬品|サービス
化学の力で水の機能を最大限引き出す
お客様の工場や設備に水処理薬品を適用することで、生産性向上や安定操業に貢献します。
水処理薬品とは
水を使うさまざまな設備に適した水質にするために適用する薬品です。クリタグループでは、創立以来培ってきた技術・ノウハウを駆使し、工場のボイラ・冷却設備やオフィスビルの空調設備、さまざまな産業の製造・生産工程、工場の排水処理装置など、お客様それぞれの設備や用途に応じた、最適な水処理薬品を提供します。
ボイラ薬品
工場などの設備の熱源や動力源となる蒸気を発生させるボイラに適用する水処理薬品です。主にボイラ水系の腐食やスケール障害の未然防止によるボイラの安定運転、省エネルギーに貢献します。
ボイラに付着するスケールを分散・除去し、熱伝達率を改善・維持
課題
ボイラに付着するスケールは、熱交換の阻害に加えさまざまな障害の原因ともなるため、熱伝達率や設備の耐久性を維持するための、スケールの付着を防止するボイラ薬品が欠かせません。しかしながら、スケール成分を分散させる効果を有する従来の薬品では、薬品の処理能力を超えた硬度成分はスケールとして付着するため、スケール除去用の薬品で別途処理する必要がありました。
ソリューション
スケールを分散・除去する「ドリームポリマー™」を配合したボイラ薬品は、ボイラ内のスケール成分を分散させることにより付着を防止することに加え、スケールが付着しても素早く効果的に除去できることが特長です。ボイラの伝熱面を常に清浄な状態に維持し、高効率ボイラの性能維持や安定運転を実現し、安定操業に貢献します。これにより、省エネルギーでの運転が可能となり、エネルギー使用量の削減にともなうGHG排出削減も実現します。さらには、ドレンのボイラ給水としての再利用や、ボイラの高濃縮運転に対応することで、ブロー量の削減を通じた節水にも貢献します。
節水
省エネルギー
GHG排出削減
安定操業
冷却水薬品
工場における冷却工程やオフィスビルの空調に欠かせない、冷凍機の熱交換器や冷却塔などを循環する冷却水に適用する水処理薬品です。主に冷却水系で発生する三大障害(腐食・スケール・スライム)を防止し、冷凍機の安定運転や節水、省エネルギーの実現に貢献します。
冷却水系の三大障害の予防とレジオネラ属菌の増殖を抑制し、設備の安定運転・省エネルギーの実現と、感染症発生リスクを低減
課題
冷却水系で発生する三大障害は、冷却プロセスや空調設備の運転停止や設備寿命の短命化、エネルギーロスなどの問題を引き起こします。また、冷却水系の循環水中でレジオネラ属菌が増殖することがあります。菌が増殖した循環水が冷却塔からエアロゾル(霧状の細かい水飛沫)となって飛散すると、人が吸引したときに発熱や頭痛、呼吸困難、肺炎などをともなうレジオネラ症を発症する恐れがあります。そのため、冷却水系では三大障害の予防とレジオネラ族菌の増殖の抑制が必要です。
ソリューション
三大障害の予防に加え、レジオネラ属菌の増殖を抑制する「Kurita NA™」シリーズは、冷凍機の熱交換器へのスライム付着による熱伝達率の低下を防ぐことで、電力使用量の低減とGHG排出削減を実現します。また、炭酸カルシウムなど硬度成分の濃縮によるスケールの発生を抑制し、冷却水の濃縮倍数を高くすることで、補給水量やブロー水量の削減による節水にも寄与します。さらに、レジオネラ属菌の生菌率を10分の1にする高い効果を有しており、衛生的な設備環境を維持します。
冷却塔散水板のスライム付着状況
節水
省エネルギー
GHG排出削減
衛生環境の維持
排水処理薬品
工場などで発生する排水の処理では、排水中の懸濁物質や有害物質を除去して適切な水質にすることに加え、排水から分離した汚泥の脱水や、排水処理工程で発生する臭いの消臭などを行います。これらの排水処理に適用する幅広い薬品の提供を通じて、排水に起因する環境負荷の低減や廃棄物の削減に貢献します。
排水処理薬品の注入量を最適化し、排水処理を安定化させることで、薬品コストと薬品由来の汚泥発生量(資源投入量)を削減
課題
排水中に含まれる物質の濃度は、製品品目や生産量など、さまざまな条件で変動します。安定した排水処理を行うためには、一般的に処理対象となる物質の濃度が常時高い状態にあることを基準に、排水処理薬品の注入量を設定しています。そのため、過剰注入による薬品コストの増加や、薬品由来の汚泥発生量と汚泥処分コストの増加が課題となっています。
ソリューション
独自のセンサーを用いて排水処理薬品の注入量を自動で最適化する「S.sensing™ CS」は、排水の水質変動に応じて薬品注入量を過不足なく自動かつリアルタイムで制御し、排水処理の安定化による安定操業、ならびに薬品コストと薬品由来の汚泥発生量(資源投入量)の削減を実現します。また、運転状況をオンラインで遠隔監視することで、運転管理業務の省力化にも貢献します。
資源投入削減
省力化
コストダウン
安定操業
石油プロセス薬品
石油精製および石油化学プロセスの連続運転操業、省エネルギーおよび利益向上のためには、プラントで発生する汚れや腐食などの障害を防止することが不可欠です。クリタでは、このニーズにこたえるため各種の防食剤、汚れ防止剤、スケール防止・分散剤、燃料添加剤などを提供しています。近年ニーズが増加しているナフテン酸腐食対策や触媒を被毒する重金属除去技術、高温での汚れ防止技術、および塩化アンモニウム塩抑制技術など、クリタの石油プロセス薬品ラインナップは常に進化しており、お客さまのあらゆる要求、目的に対応いたします。
鉄鋼関連薬品
製鉄所での水の使われ方は種々雑多です。製鉄プロセスが高温であることから、大半が冷却用であり、設備・製品、ガス、鉱滓などがその対象になります。その他の用途としては、設備、製品、ガスの洗浄用、焼結原料料への添加水、冷間圧延やメッキでの薬液調整水、蒸気発生用としてのボイラ用水、粉じん対策のための散水用などがあります。また、水処理だけに限らず、各種製造プロセスの効率化や環境対策のためにも多くの薬品が使用されています。クリタは長年蓄積した技術でさまざまなニーズに応え、製鉄所の発展に貢献します。
紙・パルプ関連薬品
クリタでは用水処理から排水処理まで、早くから紙・パルプ工場の水処理に取り組んできました。そして、その豊富な経験を通じて培った高い技術力をプロセス分野にも適用。独自の特殊高分子技術を生かした歩留・ろ水性向上剤をはじめ、画期的な薬品を開発し、数多くの製紙、パルプ製造工場で実績を重ねています。
こうした特長ある薬品の開発とともに、クリタの最大の強みとなっているのが、各種障害に対応できる商品ラインナップの多さと適用技術です。スライムや無機付着物など、原質工程から抄紙工程に至る全工程で発生する障害に対応できる多種多彩な薬品を保有。薬品効果が最大限に発揮されるよう、プロセス内の水質、水バランスや障害を分析し、そのうえで、最適な薬品と注入箇所・注入量をご提案しています。
RO膜処理薬品
RO膜のろ過性能を低下させる懸濁物質の除去や膜への汚れ付着を防止する薬品です。
クリタは、RO膜の課題である「膜が詰まる」「透過水質が悪化する」「処理水量が落ちる」「膜の交換コストがかかる」「用排水量が多い」の解決に向けて、「クリバーターシリーズ」をラインナップしています。
クリバーターシリーズのスライムコントロール剤、スケール防止剤、前処理凝集剤、RO膜用洗浄剤を各工程で組み合わせて使用することにより、トラブルの原因を絶ち、水のクリタだけができる、具体的な解決策を提供します。
自動車塗装ブース薬品
自動車の塗装ブースで水中の余剰塗料を分離し、循環水質の適正化と設備の安定操業に貢献する薬品です。
自動車、自動車部品等の塗装プロセスでは湿式塗装ブースが広く採用されています。そのプロセスでは、主流となっている水性塗料は界面活性剤が多く含まれており、発泡や凝集不良により、環境異常や廃棄物の増加などさまざまな障害を引き起こします。水処理に長年の実績と豊富な経験を有するクリタが開発した塗装ブース処理剤は、水性塗料に対しても高い抑泡力を持ち、また高い凝集力により塗料スラッジの含水率を削減することが可能です。この結果、塗装ブースのトータルコスト低減に貢献します。
また、塗装ブース循環水を清澄に保つことにより、排水コスト、廃棄物コスト、工水コスト、清掃コストなど塗装ブースのさまざまなコストを低減。さらに環境負荷も大幅に削減します。
バイオマス発電関連薬品
飛灰中の重金属などの有機物質を安定的に処理する薬品、ダイオキシンの排出を制御する薬品などを取りそろえています。
ごみや燃料を焼却すると塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)等の有害な酸性ガスやダイオキシンを含む排ガスが発生します。また、バグフィルター等の集塵機で捕集された飛灰には鉛等の有害な重金属が含まれます。
土木建築関連薬品
緑化促進や建設汚泥の処理、吹き付けコンクリート用粉じん低減などの用途で使用する薬品です。
凌渫の余水処理からコンクリート混和剤まで、新工法、新技術に対応できる数多くの薬品を揃えています。土木建築の分野では、空、海、地中へと新たな空間の利用度を高めながら、大型化、高度化、高級化への傾向を強めています。新工法や新技術の開発も活発に進めてられており、化学技術と土木建築技術の結び付きによる、安全で経済的な施工が求められています。クリタでは、その豊富な経験とノウハウを土木建築分野にも生かし、河川、湖沼、海域の凌渫余水処理の凝集剤や緑化、侵食防止剤をはじめ、調泥剤あるいは、トンネル内でのコンクリート吹付け時に発生する粉塵を低減する薬品などのほか、さまざまな新工法、新技術にも対応できるよう数多くの薬品を揃えています。最近では、都市で発生する残土処理問題に対応する「高分子系固化剤クリサット」および大深度の粘土層シールド工事における離脱水泥水に対応する「PAC代替脱水剤ソイルフレッシュ」も多くの工事で活用されています。
船舶関連薬品
船舶向けのボイラ薬品や洗浄薬品などの各種薬品を提供しています。
ボイラ水、冷却水をはじめ飲料水、雑用水など船舶でも多くの用途に水が使われています。船舶の安全運航のために欠かせないこれらの水は、その規模や運転状況を考慮した的確な水処理が必要です。
クリタは、船舶の航海に必要な水すべてに対応できる水処理薬品と技術サービスで、安全な航海に貢献しています。
薬注装置・薬注制御システム
クリタは、水処理薬品だけでなく、薬品注入機器やボイラ・冷却水の自動水質管理システムなど、関連機器類も幅広く提供しています。
また、水質や薬品注入力などのデータを、通信ネットワークでクリタの情報センターに送信し、お客様の設備の運転状況を遠隔監視し、最適な運転管理も実現します。
契約型商品
クリタは、遠隔水質管理システムによる水処理管理契約や、省エネルギー・廃棄物量削減提案に基づく排水処理一括契約などの様々な包括契約型サービスをご提供します。
また、クリタがボイラの蒸気あるいは給水を供給し、良質の蒸気を安全・安価に提供するサービス契約や、冷却水薬品等を大量に使用する石油・鉄鋼工場などのお客様と複数年の管理契約を結び、長期にわたり最適な水処理をマネジメントするとともにトータルコスト削減に大きく貢献する多年一括契約などをお客様のニーズに応じて提供します。